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【湯浅博の世界読解】外交音痴の新比大統領を手なずける中国 南シナ海独り占めに好都合

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2016.5.18 10:00

【湯浅博の世界読解】外交音痴の新比大統領を手なずける中国 南シナ海独り占めに好都合

 南シナ海の“独り占め戦略”を進める中国には、久々の朗報かもしれない。南シナ海の要にあるフィリピンで、大衆迎合型のロドリゴ・ドゥテルテ氏が大統領選を制した。明確な対中政策をもたず、粗野なレトリックを好む新大統領は、7月初めの就任後、風向き次第でどちらに転ぶか分からない。

 彼は祖父が中国から来たことを明かし、中国が「共同開発したいのなら構わない」と、領有権棚上げの可能性に言及した。その発言に呼応して、中国の趙鑑華大使がドゥテルテ氏と会談した。外交音痴の新大統領に、アキノ現政権にない「外交のスキ」を見たのだろう

 中国はすでに南のスプラトリー(中国名・南沙)諸島、西のパラセル(西沙)諸島、さらにルソン島に近いスカボロー礁を押さえて、主要航路を三角形で囲む海域を基地化しつつある主要国が西太平洋の安定を確保するには、米軍の関与なしには不可能だ。

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タグ:南シナ海
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