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先の大戦から70年もたつのに、なぜいまだに「戦後」にとらわれ続けなければならないのかと

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2015.12.31 05:04

【産経抄】12月31日

 戦後70年の今年は、やはり歴史をめぐる騒動に明け暮れする1年となった。年初から、新聞やテレビは安倍晋三首相の戦後70年談話の行方を大きなトピックとして扱った。この年末には、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するための日韓合意が大ニュースとして耳目を集めた。

 ▼ただ、小欄にはいささか違和感もある。先の大戦から70年もたつのに、なぜいまだに「戦後」にとらわれ続けなければならないのかと。「もはや戦後ではない」。経済企画庁(現内閣府)が経済白書にこう記述してから59年、中曽根康弘首相(当時)が「戦後政治の総決算」を訴えてからも、30年が過ぎたというのにである。

 ▼「戦後の枠組みを守れ」。中国や韓国は歴史問題絡みで、何度も日本をこう牽制(けんせい)してきた。9月に成立した安全保障関連法の議論では、反対論者からも同様の主張がなされていた。それでは、彼らが言う「戦後の枠組み」とは一体何なのか。

 ▼つまるところ、戦勝国と敗戦国という立場の固定化ではないか日本を戦争に敗れた過去に閉じ込め、身動きできないようにするのが目的だろう。もっとも、中韓両国は戦勝国を自称しているだけで、実際は日本と戦ったとはいえないが。

 ▼「これでもう戦後80年談話、90年談話は必要ない」。延々と繰り返されてきた謝罪外交に終止符を打つ狙いがある70年談話発表に際し、安倍首相は周囲にこう語っていた。今回の日韓合意の背景にもこれと同じ思いがある。

 ▼とはいえ、日韓合意は評価が分かれ、厳しい見方も少なくない。「政治家は歴史法廷の被告だ」。中曽根氏はかつてこう喝破した。今年は果たして「戦後」から脱却する第一歩となったのか。来年は、安倍政治の真価が問われる。


タグ:産経抄
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