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やはり昨日のドラフト会議は、辞退すべきだった。

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2015.10.23 05:03

【産経抄】戦士の休息 10月23日

 中日の落合博満ゼネラルマネジャーは、「映画との付き合いは野球より長い」という。幼い頃、芝居小屋でチャンバラ映画に出会った。秋田工時代は、野球部の練習をさぼって映画館に入り浸っていた。

 ▼プロ野球選手になってからも、スクリーンの前で過ごす時間が何よりリラックスできた。『戦士の休息』(岩波書店)と題した映画論の本まで出している。好きで入った野球の道でも、戦士たちに休息は必要である。

 ▼ゴルフやドライブ、あるいはギャンブルでストレスを発散する選手もいるだろう。落合さんだって若い頃は、「『飲む打つ買う』全部やってた」との、信子夫人の証言もある。もっとも落合さんの古巣でもある巨人で、今回発覚したスキャンダルは、そうした趣味の話題とは、次元を異(こと)にしている

 ▼3選手の野球賭博への関与は、野球協約に違反しているだけではない。その背後には、反社会勢力、すなわち暴力団が潜んでいる可能性が指摘されている。「八百長」というおぞましい疑念まで、頭をよぎる。

 ▼落合さんは本のなかで山田洋次監督と対談し、選手や俳優の立ち居振る舞い、顔色を観察する大切さを指摘していた。社会経験の乏しい若い選手の教育に、足りない点があったのだろうか。それとも「紳士たれ」がモットーの巨人という球団に、「闇の紳士」の接近を許す脇の甘さがあるのか。今季で辞任する原辰徳監督が3年前、女性問題で何者かに脅されて1億円を支払った、不可解な事件も記憶によみがえる。

 ▼何より、組織の徹底的な洗い直しが、先決である。大きな夢を抱いて、プロの世界に身を投じる若者を受け入れるのは、それからでも遅くない。やはり昨日のドラフト会議は、辞退すべきだった。

 


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