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歴史は「勝者が書く」といわれる不平等なものであるだけになおさらだ

2015.9.5 05:02更新

【産経抄】
9月5日

 一定の共通認識という土台がないと、議論も対話も成り立たない。歴史問題が面倒なのは、認識の共有それ自体が難しいことにある。歴史は「勝者が書く」といわれる不平等なものであるだけになおさらだ。かくて、正義の戦勝国を僭称(せんしょう)する歴史修正主義国が現れる。

 ▼16年前の夏、ロシア極東のカムチャツカ州を訪ねた。通訳の地元の青年は、学校で「南千島4島は日露戦争で日本に奪われた」と虚偽を教えられていた。日本に留学して初めて明治8年以降、千島列島全体が日本領だったことを知ったという。

 ▼中国の抗日戦勝70年記念行事は、歴史修正主義の見本だろう。「抗日戦争の主役は国民党が主導した『中華民国』の国軍だった」(台湾・国防部報道官)だからだ。共産党は後方や辺境でゲリラ活動をしていただけである。

 ▼外務省の中国課長経験者に、中国首脳らは歴史事実を踏まえた上で歴史偽装を試みているのだろうかと聞いたことがある答えは「首脳らも案外、本当の歴史は知らないのだと思う」だった。首脳自身が偽の歴史を信じ込んでいるとしたら、和解のハードルはあまりに高い。

 ▼「両国が共に経験した苦しい歴史が、今日の友好の大切な土台になっている」。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は2日、中国の習近平国家主席との会談でこう述べた。中国は韓国にとって朝鮮戦争における侵略軍である上、いまだに「謝罪」も「反省」も示さない国なのにである韓国は、都合の悪い歴史には目をつむる

 ▼日本は隣国には恵まれていないが、世界は中韓露ばかりではない米調査機関がアジア太平洋地域の11カ国で「好意的に見ている」国を調査したところ、日本は71%でトップだった。日本はもっと戦後の歩みに自信を持っていい。


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