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小欄は、招致活動に使われたロゴが気に入っていた。

2015.9.3 05:03更新

【産経抄】
デザインはアマで組織はプロで 9月3日

 東京駅開業100周年を記念したIC乗車券Suica(スイカ)が、ようやくわが家に届いた。JR東日本が昨年末、東京駅で限定発売したところ、窓口に客が殺到して大混乱に陥った、いわくつきの一枚である。販売を一旦打ち切り、増刷して購入希望者全員に発送していた。

 ▼発売前からネットで話題になっていた記念スイカのデザインを担当したのは、絵心のある女性車掌である。東京駅に勤務していたときに目に焼き付けたという、駅舎の描写が素晴らしいだけに、JR東日本の不手際は残念だった。

 ▼2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムをめぐる、大会組織委員会の対応は、それよりはるかにひどい。デザインがベルギーの劇場ロゴに似ていると指摘を受けてからも、デザイナーの佐野研二郎氏をかばい続けた。

 ▼その間にネットでは、新たな疑惑が次々に提示されて、ついに白紙撤回に追い込まれる。既にエンブレムをCMや新聞広告で使用していたスポンサー企業は、怒り心頭に発しているはずだ。責任の所在も、新国立競技場の問題と同じくはっきりしない。

 ▼新たなエンブレムを決める前に、今度こそ、盗用を疑われるデザインが存在していないか、専門家によるチェックが必要だ。何より組織には、危機管理のプロが欠かせない。逆にデザインは、鉄道ファンの心をつかんだ女性車掌のような、アマチュアに任せてもいいのではないか。

 ▼小欄は、招致活動に使われたロゴが気に入っていた。赤、青、黄、緑の五輪カラーに、東京を表す「江戸紫」を加えた5色で、桜の花輪を表現していた。デザインしたのは、当時美大4年生の女性である。うかつにも、これが五輪のエンブレムになると思い込んでいた


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