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自転車が、歩行者をかき分け歩道を走り抜ける。そんな恥ずかしい光景を見られたくないものだ。

2015.6.2 05:04更新

【産経抄】
恥ずかしい光景 6月2日

 自転車を愛好する著名人は数多い。新聞配達をしていた中学生時代から自転車に親しんできた作家の山本一力さんも、その一人だった。直木賞に決まった日、自宅から親子4人で自転車を連ねて、記者会見場に現れたほどだ。日刊ゲンダイによると、その山本さんが最近、自転車から遠ざかっている。

 ▼夜間の無灯火運転やむちゃくちゃに飛ばす無法者が、増えたからだ。確かに、信号無視や車道右側の走行、酒酔い運転など、重大な事故につながりかねない振る舞いが多すぎる。これらの「危険行為」について、交通ルールが大きく変わった。

 ▼昨日施行された改正道路交通法では、3年以内に2回以上摘発されると、安全講習の受講を義務付けられ、手数料もかかる。悪質な運転者が、安全の大切さを学び、悲惨な事故が激減することを祈るばかりである。

 ▼前にも書いたが、自転車そのものには、罪がない。それどころか、車から乗り換えれば、CO2を削減できる。渋滞の解消につながる。何より健康にいい。特に大都市では今後、主要な交通手段の一つとして位置付けるべきだろう。

 ▼そこで参考になるのが、「自転車革命」と呼ばれた、ロンドンの取り組みである。かつて英国は日本同様に、「自転車後進国」だった。市ではロンドン五輪を契機に、中心部から郊外へ放射線状に、専用レーンを切れ目なく設置する。駐輪場やレンタル自転車の整備も進めた。今や、クルマより自転車の姿が目立つ通りも珍しくない。

 ▼昨秋現地を視察した舛添要一東京都知事も、5年後の五輪に向けて、見習う構えだ。外国人観光客は今後ますます増える。自転車が、歩行者をかき分け歩道を走り抜ける。そんな恥ずかしい光景を見られたくないものだ。


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