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名前の由来とともに、そんな王室の再生と二人の和解の物語を、王女もいつか知るだろう。

2015.5.6 05:04更新

【産経抄】
エリザベスとダイアナ 5月6日

 大英帝国を繁栄に導いたビクトリア女王(1819~1901年)は、2万3226日の在位最長記録も保持している。もっとも、先月89歳の誕生日を迎えたエリザベス女王は、今年9月に記録を更新する。3位となるのが、ジョージ3世(1738~1820年)である。

 ▼在位中は、アメリカ独立やフランス革命などに悩まされた。一方で質素な生活を好み、15人の子供をもうけた王妃との仲もよかった。王妃は、日本人にもなじみ深い陶磁器ブランド「ウェッジウッド」との関わりでも知られる。

 ▼ウィリアム王子(32)とキャサリン妃(33)の間に生まれた王女は、その王妃と同じ「シャーロット」と名付けられた。祖父チャールズ皇太子(66)の女性形でもある。もっとも英国民は、ミドルネームの「エリザベス・ダイアナ」に、むしろ深い感慨を抱くかもしれない。

 ▼チャールズ皇太子との不仲が明らかになって以来、ダイアナ元皇太子妃は、メディアを通じて王室批判を繰り広げた。女王は、そんなダイアナさんに離婚後、王室メンバーの証しである「妃殿下」の称号を許さなかった。

 ▼1997年のダイアナさんの突然の死は、王室にとって大きな転機となった。伝統に従い静かに喪に服す王室一家に対して、「悲劇のプリンセス」を失った国民は、反発を強める。危機に立たされた女王の決断は速かった。

 ▼「権威」の象徴としての王室から、ダイアナ流の「親しみやすい」王室への改革に乗り出したのだ。現在のウィリアム王子夫妻の人気を見れば、女王の試みが成功したのは、明らかだ。ダイアナさんも、エールを送っているに違いない。名前の由来とともに、そんな王室の再生と二人の和解の物語を、王女もいつか知るだろう。


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