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▼「粛々」には、「つつしむさま」との意味もある。大歓迎を受けるであろうお二人には、国益に反することなく、粛々とした行動をぜひお願いしたい。

2015.4.9 05:04更新

【産経抄】
粛々の正しい意味 4月9日

 言葉については、日々勉強させられる。おととい、朝日新聞の読者投稿に目を通していたときもそうだ。日本語の乱れの例として、「確信犯」が挙げられていた。

 ▼悪いこととはわかっていながらなされる行為、あるいはその人という意味で、普段使われる本来は、「宗教的、政治的確信に基づいて行われる犯罪」を指すそうだ。つまり、世界のあちこちで人々を恐怖のどん底に陥れているテロも含まれる。教えてくれたのは、14歳の中学生だった。

 ▼頼山陽(らいさんよう)の「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)」からきている「粛々」もまた、「誤用」がまかり通ってきた。川中島の戦いで大軍が、夜陰にまぎれて静かに川を渡るさまを、ただ鞭(むち)の音が聞こえるだけと、詠んだものだ。

 ▼司馬遼太郎さんによると、この古風な言葉を復活させたのは、竹下登元首相だった。批判を恐れずやるべき仕事を成し遂げていく、という意味で、政治家が好んで使うようになって久しい。しかし、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は、米軍普天間飛行場の辺野古移設について、この言葉を今後は封印するという。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事から、「上から目線」と激しく非難されたからだ。

 ▼その翁長氏が、河野洋平元衆院議長とともに、中国を訪問する。河野氏は、「今は保守政治というより、右翼政治のような気がする」と安倍政権を批判している。かねて日本に「右傾化」のレッテルを貼ってきた、中国の主張に沿うものだ。基地問題で政府への対決姿勢を強める翁長氏とのコンビは、中国の習近平国家主席の目には、「ネギをしょったカモ」に映るはずだ。

 ▼「粛々」には、「つつしむさま」との意味もある。大歓迎を受けるであろうお二人には、国益に反することなく、粛々とした行動をぜひお願いしたい。


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