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万が一、希望する会社に入れなくても、「塞翁(さいおう)が馬」ということもある。などという、お説教に耳を傾ける余裕は、とてもないだろうなあ。

2015.3.2 05:04更新

【産経抄】
塞翁が馬 3月2日

 ふと目に留まった街角の映画のポスターから、昔の恋人の思い出がよみがえる。昭和50(1975)年に松任谷(当時は荒井)由実さんが世に送り出した「『いちご白書』をもう一度」は、今も中高年層にとって、カラオケの定番の曲の一つである。

 ▼彼女に曲作りを依頼したレコード会社のディレクター、前田仁(じん)さんの早大時代のエピソードが、もとになっているという。♪就職が決まって 髪を切ってきた時 もう若くないさと 君に言い訳したね。歌詞のなかで、特にこのフレーズが論議を呼んできた。確かに、長い髪のまま就職活動をしていたことになる。どうやら、松任谷さんの「創作」らしい。

 ▼髪を切り、リクルートスーツに身を固めた若者の姿が目につくようになりそうだ来年3月に卒業する大学生や大学院生の就職活動が、昨日から解禁された。学業優先のために、前回より3カ月繰り下げられ、学生たちにとっては、「短期決戦」となる。

 ▼もっとも多くの企業が、インターンシップ(就業体験)を利用して、既に学生と接触している。面接など選考が解禁となる8月前に、「内々定」が出るケースもあるかもしれない。景気回復に伴って「売り手市場」とはいうものの、疑心暗鬼に陥る学生も少なくないだろう。

 ▼前田さんは学生時代に、授業料値上げ反対運動に参加して、逮捕歴があった。それがばれて、大手商社の内定を取り消されてしまう。やむなく身を投じた音楽業界で、数々のヒットを飛ばし、「ニューミュージック」を牽引(けんいん)する、名物プロデューサーとして大活躍する。

 ▼万が一、希望する会社に入れなくても、「塞翁(さいおう)が馬」ということもある。などという、お説教に耳を傾ける余裕は、とてもないだろうなあ


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