これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

第三の波に乗り遅れるな!






 ソフトウェアは、それまで無関係だと思われていた産業や、古いビジネスモデルに基づいた産業を次々と呑み込み、ソフトウェア化の波に乗れない企業を窮地に陥れている。そのソフトウェアの多くは、スタートアップと呼ばれる革新的なビジネスモデルを持ったベンチャー企業によって生み出されている。今や、イノベーションはスタートアップによって起こされるといってもいいだろう。



(Ryan McVay/iStock)


 


 一般消費者向けの製品をつくる日本メーカーは、この現実を直視すべきだ。ハードウェアしか見えない近視眼では、機能の追加や性能の向上といった「正常進化」しか考えることができない。それは他社の製品と星取表で比較することが容易で、企画会議での承認も得やすい。そして、過去の製品の陳腐化戦略というお呪いを唱えながら、絶望的な製品をつくり続けている。


 パナソニック、ソニー、シャープの家電御三家は、リーマンショックによって引き起こされた世界的な景気の低迷や円高で、パソコンやテレビ事業などの業績悪化が加速し経営不振に陥った。やむなく、事業の売却や撤退、大規模な人員削減などのリストラを繰り返した結果、ようやく業績は回復したようだ。しかし、ソフトウェアによる破壊は、リーマンショックのように急激ではないが、ハードウェアビジネスというカエルをジワジワと茹で始めている。