これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

経営者は何を考え、何をなすべきか?


これまでの考えで生産を高めても、従業員の幸福度は向上しない



2020.10.12(月)JMAC編集部









 今、日本企業は生産性に対する意識の次元を変えるべき時期に来ていると感じている。「意識の次元」というと漠然としているが、これまでの考えで生産性を向上させても、従業員の福利厚生や幸福度は向上しないのではないかという問題意識を持っている。



 なぜこのような問題意識を持つに至ったのか、私のコンサルタントとしての経験を振り返りながら述べていこう。


日本の生産性の歴史(バブルの崩壊から耐え忍ぶ時期の到来まで)


(1)バブルの崩壊時期(1990年ごろ~)


 私が日本能率協会コンサルティングに入社し、コンサルタントとしての活動を開始したのは、まさにバブル崩壊寸前の1990年であった。


 当時、私は製造業を主なクライアントとする部門のコンサルタントとなり、日々、製造現場の生産性向上活動に取り組んでいた。当時の日本企業はそれまで続いてきた成長・発展のフェーズから、いわゆる「事業のリストラクチュアリング」へと方向転換せざるを得ないフェーズに直面していた。


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