これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

「内弁慶」な日本企業が世界で大損しているワケ


「内弁慶」な日本企業が世界で大損しているワケ


 


立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)



»著者プロフィール








立花 聡 (たちばな・さとし)


エリス・コンサルティング代表・法学博士



1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒。LIXIL(当時トステム)東京本社勤務を経て、英ロイター通信社に入社。1994年から6年間、ロイター中国・東アジア日系市場統括マネージャーとして、上海と香港に駐在。2000年ロイター退職後、エリス・コンサルティングを創設、代表兼首席コンサルタントを務め、現在に至る。法学博士、経営学修士(MBA)。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。



 













 富士山の全貌を把握するには、登山するよりも、なるべく遠く離れて眺めたほうがよい。日本企業の特殊性や異質性を知るには、海外の日系企業、しかも日本人が経営に当たっている日系企業を見たほうがよい。日本企業がもつ性質と企業を取り巻く経営環境とのコントラスト(ミスマッチ)は眩しいほど鮮烈である。



iStock / Getty Images Plus / taa22


海外日系企業に共通する問題点


 私は仕事の関係で中国やベトナム、アジアの日系企業との接点が多く、考察する機会に恵まれた。この20年近くの実務から一言で総括すると、アジアの日系企業が抱えている経営上の問題点や課題は驚くほど酷似している。


 最近、企業のヒアリングをしていると、責任者から聞かされる内容は、どこもかしこも似たようなもので、冒頭部分を聞いただけで結末や全貌がすぐに分かってしまう。私は決して特別に賢い人でも何でもない。数百通りの類似ストーリーを聞かされると、誰でも帰納法のスイッチが入り、私と同じような状況になるだろう。


>>続きを読む