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青山学院大学シンギュラリティ研究所 講演会
シンギュラリティにも負けない松下幸之助の魂
青山学院大学シンギュラリティ研究所 講演会(1)岩谷英昭氏
2018/05/03
ゴン川野 (フリーランスライター)
青山学院大学シンギュラリティ研究所の設立を記念した講演会の内容を、6回にわたり掲載していく。第1回は、「シンギュラリティに生きる、松下幸之助」と題して、元米国松下電器(現・パナソニック)社長・会長、グローバル戦略研究所所長などを歴任した岩谷英昭氏(ピーター・ドラッカー大学院特別顧問)が、4月22日に講演した内容を紹介する。
「すでに起こった未来」から推察するシンギュラリティ
シンギュラリティについて、私もそんなに詳しいことは分かりません。今日の講演を聞いたら、それが誰かに説明できると思って来た方には申し訳ありません。また、ここでIoTやICOの話をするわけではありません。どんな時代が来ても変わらないものがある。それをこれから説明したいと思います。
まず、スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』の予告編を見ていただきましょう。「想像が全て現実になる街、オアシス。何でもできる、どこへでも行ける」オアシスというのは超リアルなVRワールドです。今までは空想の世界はアニメーションで、現実世界は現実の映画で描かれましたが、今回は空想と現実が極めて近い所に融合して描かれています。スピルバーグ監督は以前から、こういった手法が得意で重さ3トンというありえない巨大サイズのホオジロザメに人間を襲わせた『ジョーズ』を製作して、全米の海水浴客を怯えさせていました。『レディ・プレイヤー1』はこれの未来版ですね。