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新発見されたシーボルト書簡、その全容と歴史的意義、そこからわかること


新発見されたシーボルト書簡、その全容と歴史的意義、そこからわかること


幕末維新史探訪2023(6)新発見の書簡から読み解くシーボルトの実像③


2023.2.15(水)町田 明広





「日本植物目録」見開き 神田外語大学附属図書館所蔵




(町田 明広:歴史学者)


「日本植物目録」の草稿完成と改定依頼


 今回の大発見となったシーボルト書簡・「日本植物目録」の学術的な詳細については、遠藤正治・鳥井裕美子・松田清(共著)「神田外語大学附属図書館所蔵 シーボルト編/伊藤圭介・賀来佐之録「日本植物目録」について」(神田外語大学日本研究所紀要8号、2016年、31~87頁)を参照いただくこととして、ここではその概要について触れておきたい。



 1827年10月末から、シーボルトは50名以上いる弟子の中の1人、医師・伊藤圭介が尾張(名古屋)から長崎に持ち込んだ約1600種の植物標本に、伊藤とその兄弟子にあたる医師・賀来佐之の協力を得て、学名と和名を付して分類し、目録を作成する作業を出島で精力的に行った。その結果、早くも半年後には「日本植物目録」の草稿を完成させたのだ。


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