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なぜ織田信長は、父・信秀のように居城を移転し続けたのか?


なぜ織田信長は、父・信秀のように居城を移転し続けたのか?


親子ともに居城を移り続けた稀有な例から見えてくる理由


2022.5.10(火)乃至 政彦





岐阜駅前にある織田信長像 写真/アフロ




(歴史家:乃至政彦)


織田信秀と織田信長


 織田信長の父に、織田信秀がいる。正確な生没年は確言しがたいが、42歳で亡くなったのは間違いないようだ。命日は3月3日とも3月9日ともいう。



 さてこの信秀だが、大河ドラマ『麒麟がくる』で魅力的な人物に描かれたことで、興味を覚える視聴者も多かっただろう。信秀のことを知ろうと思ったら、信長研究で著名な故・谷口克広先生の『織田信秀』(祥伝社新書・2015)がもっとも手に取りやすい。


 特にこの本の面白いところは、信秀と信長を比較して、その共通点と相違点を探り出すところにある。そこで谷口氏は両者の共通点のひとつとして、居城の移り変わりの多さを挙げた。


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