これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

助言にならない「それじゃ社会に出た時――」の言葉


助言にならない「それじゃ社会に出た時――」の言葉


不登校児や引きこもりの若者に必要なのは肯定してくれる第三者


2021.1.20(水)篠原 信







*写真はイメージ





(篠原 信:農業研究者)


「社会に出たらそんなことじゃやっていけないぞ」



 そんな物言いは、ごく日常的に耳にするし、今更疑問視もしないだろう。だが不登校やひきこもりの当事者には、もしかしたら恫喝にしか聞こえないかもしれない。


社会とは、他人だらけの海


 不登校やひきこもりになっている子ども(あるいは大人)が、重々承知していることがある。順番通りであれば親が先に死に、いつか自分の力で稼ぎ、生きていかなければならないことを。そのためには社会と呼ばれる「第三者の海」に飛び込み、その中で泳ぐ術を身につけねばならないことを。


 しかし、今の子ども達は第三者と関係を結べる場所が、学校に限られている。もし不登校になったら、その子どもは、第三者と関係を結べる場所を失ってしまう。昔はご近所に自営業の人も多かった。子どもは第三者の大人に触れる機会も多く、大人から「ちょっとうちの店を手伝ってくれないか」と声をかけることだってできた。


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