これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

台湾有事を抑止するエネルギー政策とは?日本の備えはこれで大丈夫なのか


台湾有事を抑止するエネルギー政策とは?日本の備えはこれで大丈夫なのか


 

まったく緊張感がないエネルギー白書、継戦能力を高めるために必要なこと


2023.6.26(月)杉山 大志





台湾海峡通過の米駆逐艦に中国戦艦が「異常接近」する事態も起きている(写真提供:U.S. Navy/Naval Air Crewman (Helicopter) 1st Class Dalton Cooper/ロイター/アフロ)





エネルギー白書が発表された。台湾有事にはどう備えているだろうか。読んでみて愕然としたのだが、「台湾」という言葉は統計の説明と各国のエネルギー状況を概説する部分の一部に出てくるのみ。「シーレーン」という言葉に至ってはそもそも一度も出てこない。これで大丈夫なのだろうか? 日本の置かれている状況、そして緊急に採るべき対策について考えてみたい。


(杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)


中国による台湾の軍事侵攻は「時間の問題」との見方


 6月6日に閣議決定されたエネルギー白書(正式名称:令和4年度エネルギーに関する年次報告 )には、「エネルギーの安定供給」については書いてある。だが過去10年間に発行された白書と大筋では何ら変わるものではない


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