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渋沢栄一が大蔵大臣を断固拒否、幻の井上内閣となった本当の理由


渋沢栄一が大蔵大臣を断固拒否、幻の井上内閣となった本当の理由


渋沢栄一と時代を生きた人々(26)「渋沢栄一と井上馨」


2021.12.13(月)町田 明広





井上馨 写真/近現代PL/アフロ




(町田 明広:歴史学者)


渋沢と長州藩の領袖・伊藤と井上との腐れ縁


 明治時代に入ってからの渋沢栄一は、静岡藩に仕え、その後明治政府で官の道を歩んだものの、実業界に移った以降は再び官には戻らず、政治家になることもなかった。しかし、渋沢のネットワークは尋常なものではなく、同時代の政治家とは広く交友関係を維持していた。その中でも、渋沢が高く評価した政治家として、伊藤博文、井上馨、原敬らの名前を挙げることができる。



 伊藤博文とは、渋沢が新政府に出仕して以来の関係で、同じく農民出身ということも相まって、非常に親しい間柄であった。新国家を軌道に乗せるべく、様々な近代制度の創設や整備から始まり、数多くの問題で渋沢と伊藤は協力関係にあった。


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