これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

数百年前に築かれた石垣が今も崩れない理由


数百年前に築かれた石垣が今も崩れない理由


知っているようで知らない日本の城(3)


2020.11.9(月)西股 総生





本文先年の地震で崩れた熊本城の石垣。痛々しい写真だが、石垣の背後に裏込がどっさり入っている様子がよくわかる。写真/西股 総生(以下同)





(城郭・戦国史研究家:西股 総生)


城のことはよく知らないのだけれど、ちょっと気になる。
どこをどう見たら面白いのか、よくわからない。
そんなはじめて城に興味を持った人や、もっとよく知りたい人へ、
城の見方、楽しさを伝える書籍『1からわかる日本の城』。
専門用語や歴史の解説ばかりでない、見分けるコツが書かれた本は、「今までになかった」と、城マニアからも注目されています。
今回はその中から知っているようで知らない、城の話をご紹介します。


高く丈夫に積む工夫とは?


 石垣の基本的な見方は、こちらでお話ししました。 ここでは、石垣の仕組みについてお話しします。



 戦国時代の土造りの城でも、土が崩れないように土留めとして石を積むことはありました。でも、私たちがよく見ている、近世の城の石垣とは、構造がまるで違います。戦国時代の土留めの石積(いしづみ)は、たんに石を積み上げただけ。土の壁に石が張り付いているようなものだと思えばよいでしょう。これに対し、近世の城の石垣は裏込(うらごめ/ぐり石)といって、裏側に小さな石を大量に入れています。

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