【100年の森 明治神宮物語】大祭 新しい歴史の扉が開いた日
午前8時半。明治神宮の参道は、早くも参拝者でにぎわっていた。
七五三の装いに着飾った女児が、父親に手を引かれている。つえをついた高齢の女性が、娘らしき女性と一緒に歩いている。立ち止まってスマートフォンを上に向け、森の木々と、その向こうの青空を撮ろうとしている人もいる。
参道の中央では、「掃き屋さん」と親しみを込めて呼ばれる人々が、参拝者を巧みに避けながら、大きなほうきで落ち葉を集めている。落ち葉の中に、どんぐりが見える。自分の足元にもどんぐりが落ちている。今は実りの季節だ。大鳥居を越えて正参道の左には清正井(きよまさのいど)などがある御苑の入り口があり、午前9時の開園を待つ人々が列を作っている。