これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

復元やVRに惑わされないホンモノの城を楽しむ秘訣


復元やVRに惑わされないホンモノの城を楽しむ秘訣


これでいいのか?日本の城歩き(1)


2020.10.29(木)西股 総生






遠江小山城(静岡県)の模擬天守。本来は天守のない戦国時代の城に天守風の資料館を建ててしまった例。近くで見ると、コンクリ感が出てしまっている。 写真/西股 総生(以下同)





(城郭・戦国史研究家:西股 総生)


天守ばかりが城じゃない


 世の中のほとんどの人は、お城=天守だと思っています。なので、「お城」がコンクリ製だとわかると、「なーんだ、本物じゃないのか」と、そそくさと帰ってしまいます。



 でも、復元天守や復興天守のある城には、石垣や堀も残っています。櫓や門の本物が残っている場合だってあります。天守がコンクリ製でも、それらは間違いなく本物です。築かれてから数百年の風雪に耐えて、いま、あなたの目の前にあるのです。


 コンクリ天守を見て、つまらなさそうに帰って行く観光客の皆さんは、本物の城を見る楽しみを自分で捨てているようなものです。あー、もったいない! コンクリ天守だって、本物の石垣や堀に囲まれて建っているからこそ、城としてのオーラを発するのです。

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