【「日本書紀」から現代へ 歴史と改革】「日本改造」を狙った戦後の三大改革 一方、国体を守る余地残した昭和天皇




菅首相(共同)

 現在の歴史教科書で、戦後日本の「経済民主化の三大改革」と位置付けられているのが、「財閥解体」「農地改革」「労働改革」である。


 財閥解体は、物理的に日本の国力を削ぐものだが、農地改革は、わが国の国体=国のかたちの根本にメスを入れようとするものでもあった。地域の神社(氏神さま)において、『日本書紀』で建国期から見える新嘗祭(にいなめさい)をはじめ年中の祭祀(さいし)を守ってきた地主の意義が否定され、稲作軽視の風潮も始まった。


 労働改革は、労働組合法が昭和20(1945)年12月に制定され、過激な革新勢力伸長の温床となる。また、同月の神道指令により、神道や神社が国家から厳しく切り離され、「国体の本義」頒布や、(『日本書紀』に由来する)「八紘一宇」用語使用なども公的には不可となった。


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