これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

米国にすがり始めたコロナで崩壊前夜のベネズエラ







 新型コロナウイルスは国の現実を露わにする。強硬な中国がうまく鎮めた一方、自由の象徴でもある米国は、トランプ大統領が最悪の場合を予測した数字の倍近い死者19万人を超えた。個人の自由より強硬策が疫病に有効ーーと早合点しそうだが、強権国家ベネズエラではひどいことが起きている。



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 中南米カリブ圏は1980年代以降、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の融資条件として福祉を削り込む新自由主義が推し進められた。その結果、格差は広がり、その反動から公平な社会を唱える左派政治家が現れては消えを繰り返してきた。そんな中、ベネズエラは2000年代、左翼政治家、チャベス前大統領の登場で極端に振れ、バラマキ政策が国の富を使い果たし、原油依存の社会をガタガタにさせた。


 チャベス氏が13年に病死し後を継いだイエスマン、マドゥロ現大統領の独裁ぶり、無能さはチャベスよりもひどく、国会停止、野党弾圧で国政は動かず、経済制裁で国際社会からもほぼ完全に孤立した。


 生産を下げながらも外貨の9割以上をどうにか稼いできた原油はコロナ禍で1920年代以来の安値となり、英エコノミスト誌によると、今年末の国の経済規模はマドゥロ政権誕生時の5分の1にまで縮む。


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