これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

交渉の道が見えない米国とイラン






 9月14日にサウジのアブカイクの石油施設にイラン(少なくともイランに何らかの関係のある勢力)による攻撃が仕掛けられて以降、米イラン間の戦争があるのかどうかが、現在の中東における最大の焦点となっている。



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 確かに、イランの最近の挑発はレッドラインを超えてはいない。米軍に対する攻撃、米国本土へのテロ攻撃、米国船籍の船に対する発砲をした訳ではなく、石油輸送ルートに干渉して米国内の価格高騰を招き、核計画を推進して今にも核爆弾を手にする状況に至り、あるいは米国が防衛を約束する国に侵攻した訳でもない。


 しかし、イランの行動が米軍に対する攻撃のようなレッドラインを超える危険性はある。その場合、トランプは容認し得ず、軍事的な対応を余儀なくされる。従って、軍事的対決の可能性は高まりつつあると言える。イランも愚かではなく、慎重に計算して行動するであろうから、アブカイクの規模の攻撃が再度起こると予断する必要はないが、仮に起これば、米国が軍事的報復を見送ることは困難であろう。