【歴史の転換点から】江戸無血開城の「点と線」(2)西郷と勝 虫のよい嘆願




皇居外苑の楠木正成像(背面から)。この楠公像の視線の先には皇居がある=8月15日、東京都千代田区(関厚夫撮影)


終戦の日、皇居外苑で

 照ったり曇ったり、突風が吹いたり、にわか雨に見舞われたり-と荒れ模様の天気となった今年の終戦の日の東京・皇居外苑。昼前、南東にある楠木正成像や楠公駐車場周辺から、また1キロほど東にある東京駅からの観光客の流れが「二重橋(皇居正門鉄橋)」にのぞむ皇居前広場で一つになるさまはまるで聖地に向かう巡礼の列のようにみえた。

 とはいえ、中国語や韓国語が飛び交い、欧米系の老若男女の姿も目立つ。むしろ日本人のほうが珍しいくらいだった。

 正午。

 二重橋を眺めたり、自撮りや記念撮影に余念がなかったりする観光客の姿は変わらなかった。それまでの違いといえば、かすかにお昼を知らせる鐘かサイレンのような音が聞こえてきたことだけだっただろう。


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