【語り継ぎたい天皇の和歌】藤原定家が「小倉百人一首」に選出





 


 先月、令和初めての「高校かるた選手権大会」が、『小倉百人一首』巻頭の、天智天皇ゆかりの近江神宮(大津市)で開催されました。全国386校の参加校から勝ち抜いた61校が参加。個人戦は2400人のエントリーがあり、参加者は10年前の4倍以上になっているそうです。


 掲出歌の「ももしき」は「宮廷」を意味する言葉です。元来、「ももしきの」は「大宮」にかかる枕詞ですが、次第に「宮中」そのものを指す言葉にもなりました。「軒端のしのぶ」は荒れた家の軒端に生える「忍草」。「忍ぶ」には「偲ぶ」が掛けられています。「宮廷の古き軒端の忍草を見るにつけても、偲んでも偲びきれないほどに慕わしいのはかつての聖代(昔のよい時代)の御世であるなあ」という歌意です。


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