これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

「がんばれ」より「無理をしないで」と言える社会を







「がんばれ」より「無理をしないで」と言える社会を


相手に伝わってしまう言葉の「裏のメッセージ」


2019.3.18(月) 篠原 信






「がんばれ」の言葉で人を追い詰めていないか。


(篠原 信:農業研究者)


 阪神大震災が起きた後、クローズアップされた言葉がある。「がんばれ」だ。


 当時、被災者の皆さんは、復興に向けて必死の努力をしていた。睡眠を削り、必死に働き。それでも見通しの立たない生活。周囲はみんな「がんばれ」「がんばって」と声をかけてくれる。


 でも、これ以上どうやってがんばれと言うの? ろくに眠る時間もないのに、もう体が壊れそうになのに、まだがんばらなきゃいけないの? がんばっても生活がよくなる見込みもないのに、どうしてがんばらなきゃいけないの?


「がんばれ」という励ましの言葉が、被災者の心を追い詰めると指摘され、私は大いに戸惑ったものだ。


「がんばれ」「がんばって」と声をかける人は明らかに悪意で言っているのではない。励ましたいという純粋な思いで、口をついて出てくる言葉だ。それが被災者を苦しめているなんて。私以外にも、「いやでも、じゃあどう声をかけたらいいのだろう?」と、悩む人は多かった。


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