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オトナの教養 週末の一冊
子どもはネットとどう付き合うべき?
『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される』
2018/08/31
東嶋和子 (科学ジャーナリスト・筑波大学非常勤講師)
インターネット依存症、ネットゲーム障害、オンラインショッピング依存、オンラインポルノ依存、ゲーマー血栓症……。
インターネットの負の側面――とりわけ人間の心身に与える悪影響――が、ようやく真剣に議論されるようになってきた。
「研究者たちが標準的な依存症の基準を持ち出し、それに見合う証拠が十分にあるかどうかを議論している一方で、問題はどんどん拡大している。この事実を否定することはできない」。
本書の著者がそう警鐘を鳴らすように、私も、社会はこれまでインターネットの影響にあまりにも楽観的であり過ぎた、と考える者の一人だ。
もちろん、テクノロジーには正と負の両面があり、どちらになるかは使い方次第。いうまでもなく、インターネットには便利かつ教育的な側面が多大にあるし、もはやインターネットを遠ざけることはできない。
「勉強をしたり、仕事を得たり、研究をしたり、情報を得たり、医療給付を手に入れたり、請求書への支払いを行いたかったりしたら、インターネットを利用する以外の選択肢はありえない社会へと、私たちは移りつつある」のだ。
「人間が生きていくうえでテクノロジーが欠かせない存在だというのなら、それと共に生きる術を学ばなければならない」と、著者は語る。「しかしそれは、私たちが主導権を握る形においてだ」と。