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【解答乱麻】教科「道徳」で何を評価するか 武蔵野大教授・貝塚茂樹



 「子供の道徳性を評価できるのか」「心を数値で測れるのか」。こうしたステレオタイプの批判がどれほど繰り返されたであろうか。もちろん、こうした批判の「本音」は、「だから、道徳の教科化はすべきではない」ということであるいつものパターンである


 しかし、ここには大きな誤解があり、道徳科の評価に対する批判はあまりに幼稚でお粗末である。学習評価の目的は、子供たちが自らの成長を実感し、意欲の向上につなげるものであると同時に、教師が指導の計画や指導方法を改善することである。そのため、評価のない学習活動などはあり得ない。


 では、何が誤解なのか。まず、道徳科は子供の「道徳性」や「心」を評価するわけではないし、数値による評価を行うわけではない。では何を評価するのか。学習指導要領は、児童生徒の「よい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること」としている。


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