これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

聖火ランを忖度した中途半端な2週間延長が映すこと


聖火ランを忖度した中途半端な2週間延長が映すこと


東日本大震災から10年たっても変わらない偏った政府の情報発信


2021.3.9(火)小川 博司






緊急事態宣言の2週間延長を決めた菅義偉首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)





・「防災対策まで自己責任論に傾く日本人の言行不一致
・「津波想定3倍増が浮き彫りにする東日本大震災の教訓



 日本には、誰もが正しい情報を手にする公共空間がない。「正しい情報」とは、発信者の認識によって異なるが、保守であれ、リベラルであれ、また異なる立場であれ、道理として正しいものを指す。


 例えば、「日本は防衛力を強化すべき」と与党の政治家が言った場合のメディアの反応を考えてみよう。「平和憲法の下でナンセンスな発言」という報道と、「尖閣問題の深刻化を考えた発言」という報道は正反対の評価だが、それぞれの立場を理解すればいずれも正しいかもしれず、あとはその記事の中身が筋の通っているものであれば「正しい情報」が伝達されていると考えることができる。


 残念なのは、「防衛力強化の前にすることは何か」「ここでの防衛力とは何を指すのか」という類の結論に至る前の議論がなされていないことだ。二つの例で言えば、「何を根拠に平和憲法と言うのか」「尖閣問題の深刻化とは法的・政治的には何を指すのか」という議論である。


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