【防衛オフレコ放談】尖閣有事で「弾切れ」の恐れ 極秘シナリオから浮かび上がる防衛戦略の「重大な欠陥」
中国の高圧的な海洋進出を受け、尖閣諸島(沖縄県石垣市)が占拠される恐れが強まる中、陸海空3自衛隊の統合運用による対処力の強化が待ったなしの課題となっている。防衛省が極秘に検討した有事シナリオでは中国軍が尖閣諸島のみならず、石垣・宮古両島にも同時に侵攻してくる事態を想定。そのとき懸念されるのが自衛隊の継戦能力で、現状では「弾切れ」になりかねない。(社会部編集委員 半沢尚久)
統合防衛戦略
有事に3自衛隊が一体的に対処するための運用指針となる「統合防衛戦略」が初めて正式文書として年内に策定される見通しだ。年末に改定される防衛力整備の基本指針「防衛計画の大綱」の基礎になるもので、統合防衛戦略では中国と北朝鮮の脅威への対処能力を高める構想が焦点となる。