【語り継ぎたい天皇の和歌】日本の新たな歴史が生まれた究極の相聞歌





 


 今回は初代天皇として語り継がれる神武天皇の御製(和歌)を紹介します。日本では初代の神武天皇から現在の令和の天皇まで、126代にわたって、天皇が和歌を詠み続けています。


 掲出歌は、『古事記』に載る一首です。「葦原の、葦の繁った小屋に菅のむしろをしっかりと清め敷いて、私は妻として迎えたひめとともに夜を過ごした」という歌意です。神武天皇が皇后として迎えたのは、日本の神話で大国主命(おおくにぬしのみこと)の孫であり、事代主命(ことしろぬしのみこと)の娘とされる比売多多良伊須氣余理比売(ひめたたらいすけよりひめ)でした。『日本書紀』では、媛蹈鞴五十鈴媛(ひめたたらいすずひめ)の名でも語り継がれます。


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