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Wedge REPORT
防災の日に思う、日本の地学教育を消滅に向かわせる文部科学省の無策
2019/09/01
勝村久司 (高等学校地学教諭、元厚生労働省医療安全対策検討WG委員)
9月1日は100年近く前の1923年に関東大震災が起こった日である。しかし、日本の子どもたちはこのことを授業で学ばない。防災訓練の前後の挨拶で触れるくらいで、実際に起こった大震災の原因も被害の状況も教訓も学ぶことができない。教師も学んでいないので教えることができないのである。
その理由は、日本の地学教育が空洞化しているからだ。
私は、5年前に、『防災の日に思う・・・地学教育を空洞化させた文科省と教育委員会の責任は重い』を書いたが、この5年間、状況は全く改善されておらず、地学教育が消滅に向かう負のスパイラルはさらに進んでしまっている。
9割以上の高校が「地学」を選択できない
理科は、「物理」「化学」「生物」「地学」の4分野があり、「地学」は、地震、火山、気象、宇宙、自然環境のメカニズムや、自然災害の猛威や歴史を学ぶ科目だ。