【語り継ぎたい天皇の和歌】日本人の身の上を案じる御姿投影





 


 今年も蝉しぐれの季節がやってきました。8月はやはり昭和天皇の御製(和歌)を紹介したいと思います。掲出歌は昭和20(1945)年に詠まれた一首です。「爆撃にたふれゆく民の上をおもひいくさとめけり身はいかならむとも」「身はいかになるともいくさとどめけりただたふれゆく民をおもひて」「国がらをただ守らんといばら道すすみゆくともいくさとめけり」--これらの御製ともども、当時の侍従次長、木下道雄氏が昭和43年に著した『宮中見聞録』の中で紹介されています。


 「海外の陸地や小島に取り残されてしまっている日本の人たちの身の上がどうか安らかで、安全なものであってほしい」という歌意です。懸命に、ひたすらに思いを込めて祈られる昭和天皇の御姿が浮かびます。


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