これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

1991年が転換点に、解体されていった大学の教養部







1991年が転換点に、解体されていった大学の教養部


大学教育にとって「教養」とは何だったのか(2)


2019.5.10(金) 児美川 孝一郎






大学設置基準の「大綱化」で、大学の一般教育はどのように変わったのか。


(児美川 孝一郎:教育学者、法政大学キャリアデザイン学部教授)


 前回の記事(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56049)では、戦後日本の大学が、なぜ「教養課程」と「専門課程」を併せ持つ教育課程を採用することになったのか、その経緯を明らかにすると同時に、実際に各大学においてスタートした教養課程の教育(一般教育)が、その後、必ずしも所期の目的を達成したわけではなかったという実態とその原因について触れた。


 それでは、その後、大学における一般教育(教養教育)は、どのような命運を辿ることになるのか。


設置基準の「大綱化」前夜


 大きな変化が訪れるのは、1991年の大学設置基準の改訂(いわゆる「大綱化」)以降のことであるが、なぜ「大綱化」が実施されたのか。ここでは、その前段の動きから見ておきたい。


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