【田村秀男のお金は知っている】「対米貿易交渉妥結なら中国経済回復」は無知な楽観論 行き詰まる中国金融モデル




中国の通貨発行残高と金融機関新規融資


 延べ30億人規模の「民族大移動」が起きる春節(中国の旧正月)期間が先週末で終わったが、輸出産業が集中する広東省では、春節が終わって郷里から戻ったら勤め先の工場が閉鎖されていて、出稼ぎ労働者が途方に暮れている。

 つい1年前までは隆盛を極めたインターネット関連の新興企業設立ブームは嘘のように消え去り、「投資家や起業家やメディアはそれを、中国インターネットの『凍(い)てつく冬』と呼ぶ」(2月6日付ウォールストリート・ジャーナル電子版)。中国に大甘の日本メディアは「中国、景気対策40兆円超、減税やインフラに」(1月29日付日本経済新聞朝刊)と、習近平政権による景気てこ入れ策を喧伝する。2008年9月のリーマン・ショック後の大型財政出動や金融緩和をイメージしているのだろうが、能天気もはなはだしい。


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