【解答乱麻】子供たちに選挙をどう教えるか 名古屋経済大学法学部准教授・高橋勝也



 2016年11月のあの日、私は中学校の教室で授業をしていた。パソコンを利用した授業では、生徒たちが珍しくソワソワしていて、集中していない。しかし、私は注意をしない。なぜなら、彼らは米大統領選挙の開票速報が気になってしかたがないのだ。私は、「超法規的措置」をとり、授業内容を変更した。「よし、好きなように速報を調べたまえ」「やったぁー!」。生徒たちは、ウェブサイトを自在に操り始めた。

 一喜一憂しているのは、最初だけ。そのうち、不安と動揺が教室内を支配していく。「え~、トランプが勝っちゃうんじゃない!?」「これからの世界はどうなっちゃうの?」「戦争が起きてしまうよ!」などと、世界滅亡を危惧するような不安感に生徒たちが襲われている。


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