【太陽光発電は人を幸せにするか】(18) 事態を動かした知事の一声 つくば市民が筑波山の太陽光発電を止めたが…




「住民運動でも止めることができませんでした」と筑波山麓で唯一、建設された太陽光発電所を指さす渡辺一雄さん。まるで山に穴が開いているようだ=平成29年12月、茨城県つくば市沼田(三枝玄太郎撮影)


 太陽光発電所の建設を規制する条例がないのに、建設計画を断念させたまちがある。

 茨城県つくば市沼田。約23万6千人の人口を擁する茨城県南部の学園都市・つくば市にあって、同市中心部から北部に約20キロ離れた、筑波山のふもとに位置する静かな町だ。

 平成27年10月、約280世帯の沼田区長の渡辺一雄さん(69)は市の職員の言葉に耳を疑った。

 「沼田の傾斜地に太陽光発電所ができるとは。しかも、もう伐採したって…。業者が伐採届けを市に出した段階で、何で知らせてくれなかったんだ」

 水郷筑波国定公園内に3つ、わずかに同国定公園の外に出たところに1カ所の建設計画があることが分かった。


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