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オトナの教養 週末の一冊
なぜ「鉄の女」は愛されない勇気を持てたのか?
マーガレット・サッチャーに学ぶ変革期の政治家のあり方
2018/10/26
友森敏雄 (「WEDGE Infinity」編集長・月刊「Wedge」副編集長)
2019年3月29日、英国は欧州連合(EU)から離脱する。しかし、この「ブレグジット(Brexit)」が半年後に迫っているにもかかわらず、移行期間や、北アイルランド(英国)とアイルランドの国境における「バックストップ(防御策)」問題など、合意にいたっていない課題がある。
テレビに映るテリーザ・メイ首相の表情は憂鬱に見える。それは、2016年にEU離脱を問う国民投票において、彼女が残留に投票したことからも分かるように、英国の国益を考えたとき、やはりEUに残留したほうが良いと考えているからではないか。あるいは、デービッド・キャメロン前首相の後を受けたとき、国民投票の結果を受けて「EU離脱を進める」と表明したことに縛られているということもあるだろう。