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公立中学が挑む教育改革
「組織の中で我慢しなさい」という教育はもういらない
公立中学が挑む教育改革・特別対談(2)青野慶久氏(サイボウズ株式会社 代表取締役社長)×工藤勇一氏(千代田区立麹町中学校 校長)
2018/09/21
多田慎介 (ライター)
「どこで、何曜日に、何時まで働くのか」。働き方改革の先頭を走る企業として注目されるサイボウズでは、社員全員が自らの働き方を宣言し、実行しているという。社員に「自立」を求め続ける代表取締役社長の青野慶久氏と、子どもたちに「自律」を求め続ける麹町中学校校長の工藤勇一氏。経済界と教育界を代表する2人の改革者が、変化の時代に必要な学びについて語り合った。
自分の力で生きていける子どもを育てるための「マネジメント」
青野:麹町中学校では、公立だとは思えないような改革がどんどん進められていますね。
工藤:今年度は、改革の大きな柱の一つとして固定担任制を廃止しました。従来は1学級に1人の担任を固定するのが当たり前でしたが、これをなくしたんです。1人の担任に生徒のすべてを委ねるのではなく、チームでもっともベストな対応を行えるようにした仕組みです。病院における「チーム医療」のようなものです。面談の期間になると、保護者から「どの先生と面談したいか」の希望を出してもらっています。もちろん生徒もですよ。