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【解答乱麻】学校の部活を地域に移すとき このままでは「ブラック部活」は改善しない 教育評論家・石井昌浩



 公立学校の部活動の見直しは待ったなしの課題だ。


 見直すべき視点は2つある。


 第1の緊急課題として、際限のない長時間労働から教師を解き放つこと。


 過労死ラインとされる月80時間を超える残業が恒常化している労働環境は尋常ではない。


 教師の多忙化については経済協力開発機構(OECD)が公表した「国際教員指導環境調査」で浮き彫りにされた通りである。日本の教師の労働時間はOECDのなかで一番長い。しかし授業時間は比較して短い。多忙化を放置すれば教師にとり教育は魅力ある職業ではなくなってしまうだろう。


 第2は、部活の抜本的見直しの課題である。


 「部活は生徒の自主的活動であり、部活指導は教師のボランティア」との位置づけにはもともと無理がある。「教育課程外の学校教育活動」というご都合主義の矛盾に目をつむり、教師の善意と献身によってかろうじて成り立ってきた部活を見直さなければならない。


 学校の授業だけでは受験に不安を感じる親と子供が多くなり塾通いが増えている。塾と学校がすみ分けるような形で、学校のウリは部活と生活指導に特化されつつある。これが教育界のいつわりのない現実だ。


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