これでいいのか?戦後日本「より良き日本を取り戻そう」

大学院重点化政策はゆとり教育だった!







大学院重点化政策はゆとり教育だった!


就職できない大学院修了者が続出、すぐにでも大改革を


2018.4.24(火) 伊東 乾








米マサチューセッツ(Massachusetts)州ケンブリッジ(Cambridge)のハーバード大学(Harvard University)法学大学院の建物(資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Darren McCollester〔AFPBB News




 大学院の話題を記したところ、多くのリアクションをいただきましたので、もう少し続けたいと思います。


 私の身近には、いろいろなキャリアの人がいます。


 大学で物理学の博士号を取ったけれど、全く違う業種で実務についている人、ロースクールまで進んだはずなのに、法律と無関係な企業に就職した人、高度な数理の専門を修めながら、接点ゼロの現場にいる人、東京大学を優秀な成績で卒業したはずなのですが、なぜか無職の人・・・。


 上記の中には、うまくいっている人もいますし、なかなか苦労しているケースもありますが、1つだけ確かに言えることは、大学・大学院での教育が、ほとんど生計を立てるのに役立っていないという共通点です。


 実は私も、以前はそういう側面がありました。


 学部と大学院の修士・博士と物理学を学びましたが、家業の西欧音楽で生活が回り、いったんは大学院の高度な教育をふいにしたかと思ったことがありました。


 しかし、大学に呼ばれて20年、改めて振り返ってみると、私のラボの足跡は物理の音楽への応用を軸としており、学んだことは決して無駄ではなかった。


 それどころか、それなしには何もできなかったと改めて痛感しています。恩師には感謝し直しています。


 でも、同時に、大学に勤めるようになって20年、当時の20歳は40歳、当時の25歳は45歳のコア世代となった幾星霜を振り返ってみると、日本の大学・大学院教育は、個別の問題ではなく、大域的な構造において、著しい問題を抱えていると言わざるを得ないと思います。


 すなわち、ワーキング・プア量産装置となりかねない。そうした「大学院クライシス」について建設的な観点から検討してみたいと思います。


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