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【正論】平和主義という「防波堤」は危うい 安保・国防は「脱情緒」の世界だ 元駐米大使・加藤良三 



 敗戦という大型台風の被害に懲りて、平和主義の防波堤を造ることになった。「安全に安全に」を呪文のように繰り返しているうちに、次第に沖合にせりだし、気がつくと水平線の彼方(かなた)、非現実的な遠方にこれが築かれてしまった。


 そのために、防波堤の内側で大波が起こり、生態系がゆがみ、赤潮が充満し、このままで大丈夫かという懸念が強まってきた-。


 以上は日本に訪れうる状況をたとえ話風に述べたものである。


≪アメリカが助太刀してくれるだろう≫


 北朝鮮の問題が激しさを増し、Jアラートが鳴っても住民は「どこへ行けばいいのか分からない」という。もっともである。国民の多くはまずもって、北のミサイルは日本には来ないだろうと漠然と感じてきた。


 万が一飛んできても、自衛隊がPAC3やイージスシステムやらで全部撃ち落としてくれる、黙っていてもアメリカが助太刀してくれるだろうと思っている


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