ロシアによるウクライナ侵攻が始まり2カ月ほどが過ぎようとしている。何と言ってもロシアは2020年時点で世界の石油輸出の11.4%(米国、サウジアラビアに次ぐ第3位)、ガス輸出の25.3%(世界最大)を占める大資源輸出国であるため、侵攻による経済制裁の一環でロシア産資源の禁輸措置が広がる思惑から、石油・ガスはもちろん石炭まで価格が急騰することとなった。

(Andree_Nery/gettyimages)

 化石燃料の急騰を受け、わが国では「化石燃料に依存していると、こうした地政学的な危機によってエネルギーの安定供給が脅かされる。国内自給できる再エネ導入が足りないのが問題で、一層再エネの導入スピードを加速するべき」というような主張をする人たちがいる。実に短絡的な視点であり、かえってわが国のエネルギー安定供給と経済性を危うくする暴論である。以下、反論していこう。

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