(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年5月6日付)
1973年にスウェーデンの首都で起きた悪名高い強盗事件にちなんで名付けられた「ストックホルム症候群」とは、誘拐の被害者や人質が自分をさらった犯人に信頼感や愛着、共感を抱くようになっていく現象のことだ。
中国共産党と付き合う際、これが多くの企業と一部政府を苦しめる病となっている。
筆者は最近、香港を拠点とする国際的な企業経営者のグループに招待され、香港における民主主義と言論の自由の残骸を叩き潰す中国政府の動きについて討論した。
民主的な社会から来ているこうした経営幹部数人は、自分たちの最大の敵は自由なメディアだと思うと語った。