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ドイツで逆風が吹き始めたSUV、SUVブーム継続のカギは電動化? [1)経営・ビジネス]

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 以前シンガポール国立大学でのシンポジウムに参加し、法学部の環境法専攻の教授と立ち話をした際に、ドイツ製を中心とした大型SUV(Sport Utility vehicle)がシンガポールで増加していることを教授は嘆いていた。東京23区と同程度の大きさの島国シンガポールで大型SUVで出かける必要がある場所はなく、二酸化炭素(CO2)の排出量も多い車であることからSUVは「社会で受け入れられない車」(Socially Unacceptable Vehicle)を略したものと手厳しくコメントしていた。

 教授の怒りにもかかわらず、2010年代前半からSUVの販売台数は世界中で増加している。米国ではセダンタイプの販売比率が3割を下回るまで落ち込み、SUV主体の小型トラックに分類される車種が7割を超えた。米国ほどの比率ではないが、日本でもSUVの販売台数は毎年伸びている。しかし、SUVにも逆風が吹き始めたようだ。その切っ掛けは車体重量が重くCO2排出量が多いため温暖化対策に逆行するとの主張だったが、9月上旬にポルシェのSUVがドイツで引き起こした事故によりベルリンではSUVの市内乗り切れ禁止論まで登場してきた。

 

 

 

 


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明治人が考えたロマンティシズムあふれた「東亜保全論」 [◆論  評◆]

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 宮本武蔵の生まれ故郷は岡山県東北部に位置する英田郡讃甘村だそうだが、武蔵生誕の地の北隣に社を構える神官の家に生まれた白岩龍平(明治3=1870年~昭和17=1942年)は、後に西園寺公望、近衛文麿、牧野伸顕などの知遇を得て、日露戦争開戦前年の明治36年(1903)に湖南汽船会社を設立し湖南省で水上交通運送を始め、明治41(1908)年に大東汽船、湖南汽船など4社を日清汽船会社に統合・改組し専務取締役として経営に当たり、翌年には東亜興業の創業に参画し取締役に就任している。

(NicoElNino/gettyimages)

 その白岩の許に出入りしていた安井正太郎が湖南省を歩いたのは、どうやら湖南汽船会社設立を構想する白岩の命を受けてのことらしい。

 安井によれば、湖南人は「土風古にして世利に淡く、慷慨節を尚ひ不義を為すを耻づ、学者は礼を勤め耕者は力に勤むといへる」らしい。財物に恬淡とし、礼を尊び、情に厚く、質実剛健であり、貧富に大きな差がなく、たまには乞食を見かけもするが、街並みは整然として清潔だ。「之を清国中何れの地方に求むるも見るを得ばからず」。

 つまり清国のどこを探しても、湖南人ほど頼もしく、湖南省ほど素晴らしい地域は見当たらない。一種の桃源郷といったところか。ベタ褒めである。

 

 

 

 


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【国難を乗り越える 日本書紀】幕末の志士を奮い立たせた「天皇中心の歴史観」 『日本書紀』を取り戻し、命がけで国難に立ち向かう原動力に [3)日本の歴史]

【国難を乗り越える 日本書紀】幕末の志士を奮い立たせた「天皇中心の歴史観」 『日本書紀』を取り戻し、命がけで国難に立ち向かう原動力に

『大日本史』を編纂(へんさん)した徳川光圀の像=水戸市
『大日本史』を編纂(へんさん)した徳川光圀の像=水戸市

 

 『日本書紀』は成立以来、日本の正史としての地位を占めたが、『日本書紀』に基づく価値観・歴史観を失いかけた時期は戦後だけではない。江戸時代は、幕府により儒学が公式の学問とされ、仏教が統治の一翼を担っていた。

 例えば、江戸中期の代表的儒学者の一人、太宰春台(しゅんだい)は、神道が日本固有の信仰であることを認めず、『弁道書』(1735年)で、「今の世に神道と申候は、仏法に儒者の道を加入して建立したる物」などと評した。

 

 

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【語り継ぎたい天皇の和歌】第65代花山天皇 芸術的センスに秀でた「花人」 [2)皇室・ニュース]

【語り継ぎたい天皇の和歌】第65代花山天皇 芸術的センスに秀でた「花人」

 

 冷泉天皇の第一皇子だった第65代花山天皇が即位されたのは984(永観2)年の秋でした。平安時代のことです。17歳からわずか1年10カ月の御在位期間だったのは政治的な勢力争いの余波だったと『大鏡』は伝えています。次の第66代一条天皇は花山天皇の従兄弟でした。この一条天皇の時代に清少納言や紫式部、和泉式部などの平安女流文学が花開いたことが知られています。けれども、一条天皇の先帝花山天皇も実はとても和歌の才能に恵まれていました。3番目の勅撰和歌集『拾遺和歌集』は花山天皇(出家後の花山院)の親撰だとする説が有力です。

 掲出歌は、「秋が来れば、虫たちも物思いにふけっているのだろうか。声を高らかに鳴きあかしているなあ」という歌意の作品です。他にも、「世の中をはかなき物と思ふにもまづ思い出(い)づる君にもあるかな」(世の中を儚いものだと思うけれども、そんな私にも真っ先に思い出されるのがあなたのことなのだ)という相聞歌も知られています。

 

 

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