プーチン氏、ウクライナ艦船拿捕の正当性主張

モスクワで国際投資フォーラムに出席したウラジーミル・プーチン大統領(2018年11月28日撮影、資料写真)。(c)Pavel Golovkin / POOL / AFP〔AFPBB News

(北村 淳:軍事アナリスト)

 昨年(2018年)3月1日にロシアのプーチン大統領が施政方針演説で明言した新型戦略兵器(極めて深い海の中を、極めて高速で、大陸間の距離を移動する核兵器)を搭載する“特殊目的”原子力潜水艦「ベルゴロド」が、2019年4月23日、ロシアの白海に面したセヴェロヴィンスクのセヴマシュ造船所で進水した。

世界最長の潜水艦が誕生

 ベルゴロドの全長は184メートルで、かつてロシア海軍が誇ったタイフーン型戦略原潜(全長175メートル)や米海軍のオハイオ級戦略原潜(全長171メートル)を凌駕する世界最長の潜水艦が誕生したことになる(海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦の全長は84メートルである。ちなみに「ひゅうが型」ヘリコプター空母の全長は197メートルである)。

 原子炉の試運転をはじめとする造船所内でのテストは本年(2019年)中に完了し、2020年には海洋公験が実施され、2020年末までにはロシア海軍が受領する予定となっている。

 この潜水艦は1992年に造船計画がスタートした。その後、資金難などで中止されたり再開されたりしながらも計画は綿々と続き、2012年に「世界中の海洋に展開しての研究を目的とする」大型潜水艦として計画が再開された。

 しかしながら、その誕生が近づくにつれ、この原潜は研究目的用というよりは特殊目的用であり、その特殊目的の恐るべき内容も明らかになってきた(とりわけ二度にわたる原爆攻撃を受け、東日本大震災では巨大津波による未曾有の被害を被った日本にとっては驚愕の内容である)。

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