(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年4月13/14日付)
ほとんどのジャーナリストにとって今は受難の時代だ。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領から英国労働党のジェレミー・コービン党首に至るまで、多くの政治指導者がジャーナリストは嘘をつくと非難している。
筆者が暮らすフランスでは、メディアへの信頼度が過去30年間で最低の水準にまで落ち込み、「黄色いベスト」の抗議者がたびたび記者を襲っている。
地方の新聞やデジタルメディアは、インターネットに起因するジャーナリストの大量雇用破壊に見舞われ続けている。
広告主は大挙してグーグルやフェイスブックに移行してしまった。
ところが、このアンチエリートの時代に、大都市圏のリベラル層が購入する「エリートメディア」の出版物(特に英字媒体)が伸びている。
米国のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)やワシントン・ポスト紙、ニューヨーカー誌、アトランティック誌、英国のガーディアン紙などは、軒並み記録を更新している。
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