いよいよ始まる米陸軍の第1列島線への機動展開
米太平洋陸軍司令官ロバート・ブラウン大将は2019年3月26日、アラバマ州ハンツビルで開かれた米陸軍「グローバル・フォース・シンポジウム(Global Force Symposium)」の会合において、2020年に南シナ海で大規模な米本土からの機動展開演習「太平洋の守護者(Defender Pacific)」を計画している旨発表した。
同司令官は、我々は韓国(朝鮮半島)へは行かない。南シナ海シナリオそして東シナ海シナリオに備えるために行くのだと明言した。
演習は、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、タイなどでの実施が予定されており、まさに中国の海洋侵出の脅威に対抗することを目的とした第1列島線への機動展開演習である。
この演習は、2018年1月に発表された「国防戦略(NDS2018)」で述べられているように、米国の長期的かつ戦略的競争相手(「ライバル強国」)である中国によって焚きつけられたものであると説明されている。
米陸軍は、インド太平洋地域に約8万5000人の兵員を駐留させ、すでに同盟国や友好国と「太平洋通路(Pacific Pathways)」のような演習を行っている。
今回計画中の演習は、米本土から太平洋への緊急展開を目標に、師団司令部と数個の旅団が30日から45日間にわたって実施するものである。
国家にとって、逃げ足の速い海空軍と違って、軍事介入の大きなターニングポイントとなる陸軍を展開させる意味は極めて重く、いよいよ米国が、対中冷戦体制を本格化させているシグナルとして注目される。
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