今回は、印刷会社の木元省美堂の代表取締役社長・木元哲也さんを取材した。木元さんは、創業65年の木元省美堂の3代目社長。1988年に新卒でソニーに入社し、2014年9月末まで27年間勤務した。主に証券業務、商品企画、事業戦略などに関わった。同年10月から、父の後を継ぐ形で社長となり、約70人の社員とともに経営改革を次々と試みる。社内コミュニケーションの活性化や労働時間の削減をはじめとした就労環境の整備、さらに新卒採用をスタートした。

 木元さんにとって「使えない上司・使えない部下」とは…。

(josefkubes/Gettyimages)

歓迎されると思っていただけに、カルチャーショックでした

 ソニーにいたころは、仕事の内容やポジションなどにおおむね満足していました。上司や先輩、同僚、部下にも大変に恵まれ、感謝するものが多かったのです。振り返っても、私にとってはいい会社であったと思います。

 入社のときは、創業者である井深大さん(当時、取締役名誉会長)や盛田昭夫さん(当時、代表取締役会長)がお元気でした。当時は、全社が役員や管理職を役職ではなく、「さん」で呼んでいました。私は20代のころ、社長室にいたのですが、「盛田さん」と呼ばせていただいていました。いつも、メッセージがシンプルな方でした。

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